メディア制作で社会について考えるきっかけづくり
私たちのメディア教育は、老若男女、多様な多くの方々と実践してきました。東日本大震災と原子力災害の被災地では、避難を強いられた子どもたちが地域について主体的に考えるきっかけづくりとして取り組みました(福島県双葉郡)。また、平均年齢80歳のグループが自分たちのライフヒストリーについてドキュメンタリーを作るプロジェクト(福島県郡山市)を実施。さらに、外国にルーツを持つ若者たちが東京を舞台に自らの考えや主張を表現する取組み(東京都)や、地域に住む外国人住民との接点を創るために取材活動を行うプロジェクト(東京都台東区)も実施しました。いずれの取組みも、市民がメディアコンテンツをつくることを契機に、多様な人や課題に触れ、社会について考える機会となっています。
主体的な視点でメディアリテラシーについて学ぶ
欧米を中心とした国際社会では、100年近く前から民主的な社会を創る市民にとって大切な能力としてメディアリテラシーの習得を推奨してきました。近年、日本においてもSNSの利用やフェイクニュースへの懸念からメディアについて学ぶことが再注目をされています。私たちはメディアコンテンツを市民が制作する過程を通じてメディアリテラシーを育む取組みを各地で行ってきました。災害被災地の子どもや外国ルーツの若者、高齢者によるアーカイブ活動など、多様な市民と協働しながら「メディアを学ぶ」ことについて社会で考える機会の創出を掲げています。